春と秋は
風が連れてくる
春風のパレットには
あらゆる鮮やかな色と
軽い彩りが見える
秋は深く思索する
大人びた渋い色合いを好み
夕焼け色に森を染める
夏は輝きが地面を打つ
明るさの満ち溢れる中に
白と黒がひときわ目立つ
冬は澄んだ雪に塗られる
思い出を描くキャンバスが
野山に、町に、森に広がる
初夏には無限の緑がある
力強く、希望に彩られ
生命のきらめきに萌ゆる
そのあとに控える
灰色と湿気の時は――
次々とこぼれ落ちる
透き通った雫の中に
次の季節の見果てぬ夢を
かたつむりの幻想に
紫陽花の青紫に
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