まだ若い朝日が、これから続いていく道を照らし出してゆく。
「いったい、どれくらいの人たちと出会い、別れてきたのかしら」
旅先で印象的な人と会い、別れを告げてきたとき、シェリアがよく溜め息混じり口にする。そんな時、ルーグは少し考えてから、慎重に言葉を選んでこんな風に答える。
「それは分からない。けれど……運命が再び私たちを結び付ければ、一度別れた人と、いつかまた出会うこともあるだろう」
するとシェリアは少し感傷的なしんみりした様子でうなずく。
「ええ、そうよね。あの、サミス村の姉妹みたいに」
「そうだ」
ルーグが同意する。二人の記憶には、遠い夏の高原で出会った村娘、ファルナとシルキアの笑顔が刻み込まれていた。
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