2012年11月の幻想断片です。
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11月28日− |
[シチューの魔力]
赤や茶色、黄色の木の葉を散らして、氷のように鋭く冷えきった風が身体を蝕むように、えぐるように通り過ぎた。町ゆく人々は上着の襟を立て、腕組みしながら石畳を行き交っている。
「これは、北の方だと吹雪だろうねぇ」
タックが言うと、幼なじみのケレンスもすぐに同意する。
「そうだな……さみ〜っ」
とろりとした白く豊かなスープから湯気が立つ。いい匂いだ。
震えていた彼らも夕食のシチューにありつくと、暖炉よりも焔の魔法よりも、酒よりも――心の底から温まるのだった。
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