粉雪の予感

 


(前 奏)

残り一枚だけになったカレンダー
光ともる可憐な樅の木(もみのき)
鋭い夜風はいつもと違って
北の街の歌が混じってる

今夜こそ出会えそう
淡い予感を胸に秘め
震えながら息を吐き出せば
天に溶けてゆく

曇りがちな電車の窓のかなた
闇に揺れる灯火(ともしび)ほのかに
ぬくもり欲しくて季節をさまよう
人の群れは誰も早足で

手袋をはめながら
改札を出て見上げれば
凍りついた空が粉々になって
舞い降りる

小さな天使は笑顔を隠して
僕の街を白く染めてくよ
冬のプレゼント、神様の涙
時を越えて遠い君へみんな届けたい
snowin' dream

(後 奏)





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