■ 国鉄・岩日北線(未成線) ■ <作成中>

 ■ 幻の車窓 ■
← 六日市   高根口 → ← 出市   周防深川 →


 ■ 岩日北線 路線図 ■
(別ウインドウで表示)
 


 ■ 駅 ■
      駅名 読み方 距離   1950年 1980年 2010年
   

益田 ますだ 21.1km   益田町 益田市 島根県
益田市
    日原 にちはら ↑ 0.0km   日原町 日原町 島根県
津和野町
 







日原 にちはら 41.0km  
  柿木 かきのき 29.7km   柿木村 柿木村 島根県
吉賀町
  七日市 なぬかいち 23.9km   七日市村 六日市町
 


六日市 むいかいち 16.6km   六日市町
  高根口 たかねぐち 10.7km   深須村 錦町 山口県
岩国市
  下須川 しもすがわ 8.8km  







(雙津峡温泉) (そうづきょう
 おんせん)
-  
周防深川 すおうふかがわ 5.7km  
出市 いずし 2.2km   広瀬町
錦町 にしきちょう ↑ 0.0km  
   


錦町 にしきちょう 32.7km  
    河山 かわやま 27.9km   河山村 美川町
    北河内 きたごうち 13.9km   北河内村 岩国市
    清流新岩国 せいりゅう
しんいわくに
3.9km   御庄村
    川西 かわにし ↑ 0.0km   岩国市
   

川西 かわにし ↓ 0.0km  
    西岩国 にしいわくに 1.9km  
    岩国 いわくに 5.6km  


 ■ 路線概要 ■

 国鉄「岩日(がんにち)線」は、山口県・岩国駅(山陽本線)と、島根県・日原駅(山口線)を短絡しようとした鉄道計画だった。
 いわゆる「陰陽連絡鉄道」の一つであり、広域的に見れば太平洋側の広島市と、日本海に面した石見地方の益田市を結ぼうと企図した路線である。

 岩国市の川西駅から錦川沿いをさかのぼり、錦町駅までの約30kmは1963年(昭和38年)に開通した。
 さらに日原駅を目指し、まずは六日市駅までの工事が着工され、延伸部分は「岩日北線」(がんにちきたせん)と呼ばれた。4kmを越える六日市トンネルも貫通し、路盤はほとんど完成したものの、国鉄改革の余波で1980年(昭和55年)に建設が凍結された。

 延伸どころか、錦町まで開業済みである岩日線自体の営業成績も振るわず、第二次特定地方交通線に選定された。地元の熱意により、1987年(昭和62年)には第三セクターの「錦川鉄道」に移管している。

 延伸部分の活用も模索されたが、第三セクター化してまで鉄道を残した山口県側の錦町(現:岩国市)と、すでに中国自動車道の恩恵を受けていた島根県側の六日市町(現:吉賀町)では温度差があったのだろう。

 結局、錦町から六日市までは鉄道として日の目を見ることはなく、未成線に終わった。六日市駅の予定地には、町の温泉施設「むいかいち温泉ゆ・ら・ら」が建設されたようだ。
 一方、錦町側では、途中の「雙津峡(そうづきょう)温泉」付近までの路盤を整備した。錦町駅から片道40分の「岩日北線記念公園」として「とことこトレイン」という遊覧列車が走り、幻の鉄道を楽しめる観光施設として人気を博している。
 
<参考文献>
・宮脇俊三 編 『鉄道廃線跡を歩くW』
・森口誠之 著 『鉄道未成線を歩く 国鉄編』
 
<注記>
・本記事は2016年7月現在の情報です。
・鉄道未成区間の駅名は仮称です。
・写真や地図の無断転載はご遠慮下さい。


 ■ 岩日北線 時刻表 (※探索の実行結果)
 以下は「岩日北線」(岩日線)の架空の時刻表である。
 黄色の背景部分が、今回の探索の実行結果となっている。

 ※最新の時刻や運転状況は、各社のサイトでご確認下さい。



 ■ 探索ルートの検討 ■
 未成線「岩日北線」の調査について、今回の探索手段は、公共交通と徒歩である。

 結論から申し上げると、島根県側から山口県側に向かって調査を行い、下記のルートを採用している。

@JR益田駅前 ⇒ 中国自動車道「深谷パーキングエリア」バス停
 (広島ゆきの高速乗合バス「広益線」、約90分)

A深谷パーキングエリア ⇒ 雙津峡温泉
 (徒歩、県道16号線・国道434号線経由、約11km)

B雙津峡温泉駅 ⇒ 錦町駅
 (「岩日北線記念公園」の遊覧列車「とことこトレイン」、約40分)

 以下、検討過程について記載する。

●着工区間の探索方法

 調査対象となる岩日北線は、計画区間が錦町〜日原、そのうち着工区間は錦町〜六日市となっている。
 着工区間のうち、錦町から雙津峡(そうづきょう)温泉までは「岩日北線記念公園」として整備され、遊覧列車「とことこトレイン」が走っている。
 本物の鉄道が開通することは永久にない「未成線」であるが、この「とことこトレイン」にはぜひ乗りたい。
 おそらく「鉄道に乗った気分」が味わえるはずだ。

 よって、まずは「とことこトレイン」のダイヤを中心に、スケジュールを検討することにした。
 なお「とことこトレイン」は春〜秋の土日を中心に、1日3往復ほど走っている。詳しい運転日や最新の時刻は「錦川鉄道」のサイトを参照頂きたい。

 着工区間のうち、

(1) 錦町 〜 雙津峡温泉
 ⇒遊覧列車「とことこトレイン」片道40分

(2) 雙津峡温泉 〜 六日市
 ⇒「徒歩」 (「徒歩徒歩トレイン」?)

 と探索できれば最良であると考えた。

●路線バスの状況 (※2016年7月現在)

 岩日線(岩国〜日原)は広島から石見地方(益田市等)を短絡しようとした鉄道構想であり、かつては国鉄バス「岩益線」や「広益線」が結んでいたようだ。

 2016年7月現在、以下の方法を採れば、岩国から益田に抜けることが「一応は」可能である。

(1) 岩国駅 〜 錦町駅(鉄道:錦川鉄道)
(2) 錦町駅 〜 六日市(路線バス:岩国市生活交通バス(錦地域))
(3) 六日市 〜 日原駅(路線バス:六日市交通)
(4) 日原駅 〜 益田駅(鉄道:JR山口線)

 しかしながら、上記のうち (2)と(3)の路線の本数が少なく、頭を悩ませてしまう。
 特に、土日祝の昼間運転である遊覧列車「とことこトレイン」との組み合わせを考えると難しい。

 下記の通り、土曜は良いが、日曜・祝日は乗り継ぎ不可能となってしまう。

路線 土曜日 日・祝
 (2) 錦町駅 〜 六日市   ・3往復(朝昼夕)   ・2往復(朝夕) 
 (3) 六日市 〜 日原駅   ・日原方面2便(朝夕) 
 ・六日市方面3便(朝昼夕) 
 なし 

 また、この乗り継ぎにはもう一つ課題がある。
 それは(2)のバスが、錦町と六日市を最短で結ぶ国道187号線「傍示ヶ峠」(ぼうじがとう)を経由することだ。
 その結果、岩日北線の建設ルートと大きく離れてしまう。
 探索のためには、改めて別のバス路線やタクシーや徒歩で、宇佐川沿いの岩日北線に近づく必要がある。

 上記の課題があるため、次に(2)の「錦町駅 〜 六日市」のバスを使わないプランを考えた。
 その際「錦町駅 〜 雙津峡温泉駅」は「とことこトレイン」に乗車するとして、残った「雙津峡温泉 〜 六日市」の約15キロを徒歩で連絡すれば良いことになる。

 このプランの問題として、徒歩の距離が長いことが挙げられる。
 また、途中で県道120号線を経由することになるが、この山越えの道路が低規格でカーブが多く、高低差も激しいことが分かった。山口県側の上須川地区が標高200m程度、島根県側の蔵木地区が標高370m程度であるが、途中の峠では400m近くまで上がるようだ。夏の暑い時期には堪えるだろう。

●高速乗合バス「広益線」の活用

 計画に悩んでいた時、地図を見ていて気になったのが中国自動車道だった。
 広島と石見地方を短絡するという、本来の「岩日線」の構想を具現化した「高速乗合バス・広益線」が、広島と益田を結んでいることが分かった。このバスは中国自動車道の六日市ICまで高速道路に乗り、そこから岩日北線の未着工部分をなぞるかように、七日市・柿木・日原を経由して益田に至る。

 これで「(3) 六日市 〜 日原駅」の路線バスと「(4) 日原駅 〜 益田駅」のJR山口線を一挙に吸収できる。
 曜日に関係なく、毎日6往復走っているのも心強い。

 しかしこの案でも、六日市のバス停で乗り降りする場合、急勾配と急カーブの県道120号線を経由し、峠越えのルートで約15キロを徒歩連絡しないといけない状況は変わらない。
 もう少し楽な方法はないだろうか――?

 その時、高速バス「広益線」の時刻表を見ていて「深谷PA(パーキングエリア)」が目に入った。
 深谷PA(パーキングエリア)は山口県側に存在し、県道16号線を経由すれば国道434号線に出られる。国道を宇佐川の流れに沿って下っていけば、岩日北線の路盤跡にぶつかり、やがて雙津峡温泉に至る。

 深谷PAが標高390m程度、国道に合流する宇佐郷が標高245m程度であるため、深谷PA⇒宇佐郷という流れなら降りるだけで済みそうだ。県道120号線を上り下りするよりは、県道16号線を下りるだけの方が楽だろう。
 また徒歩の距離は10km強で済みそうだ。徒歩で15kmの距離が10kmになれば、約1時間短縮できる。

 標高差を考えると、宇佐郷から深谷PAに登っていくのはメリットがない。
 これで島根県側(六日市方面)から現地入りし、徒歩で南下するという回り方が決まった。

 県道16号線を下りきって国道434号線に出れば、岩国市生活交通バス(錦地域)の高根線が毎日7便ほど運行されている。悪天候や体調不良時は無理して歩かず、バスを利用できるという保険もメリットだ。

 あとは接続の関係となる。
 結局、前後の予定の都合により、益田駅10:00発のバスに乗車することにした。深谷PAに11:30位に到着。
 岩日北線の未成線の遺構を徒歩で探索し、雙津峡温泉駅を15:00に出発する遊覧列車「とことこトレイン」に余裕を持って乗車する。その後、錦町駅での錦川鉄道への乗り継ぎ時間も良い。

 こうして、冒頭に記載したスケジュールに決めた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
@JR益田駅前 ⇒ 中国自動車道「深谷パーキングエリア」バス停
 (広島ゆきの高速乗合バス「広益線」、約90分)

A深谷パーキングエリア ⇒ 雙津峡温泉
 (徒歩、県道16号線・国道434号線経由、約11km)

B雙津峡温泉駅 ⇒ 錦町駅
 (「岩日北線記念公園」の遊覧列車「とことこトレイン」、約40分)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 今回の案では、六日市駅予定地(六日市温泉ゆ・ら・ら)付近を探索する時間を確保できなかった。
 益田駅から一気に深谷PAまで進み、山口県(岩国市錦町)に入る。
 その分、六日市トンネル以南の調査に、時間と労力を集中投下することにした。


 ■ 益田 ■

[2016/07/23 / 09:54]
 JR益田駅(山陰本線・山口線)

 下関駅5:39発の益田ゆきに乗り、9:53に到着。
 定刻通りの運行で助かった。

[2016/07/23 / 10:00]
 JR益田駅(山陰本線・山口線)

 石見交通のバス停から益田駅を撮影した。
 ここから「広益線」に乗り、深谷PAを目指す。
 10:00発なので乗り継ぎは良い。

 ちなみに下車予定の中国自動車道・深谷PAは「ふかや」ではなく「ふかたに」だった。誤って覚えていたため、バスの窓口の方を一瞬困惑させてしまったが、無事にチケット(2,420円)を購入。

[2016/07/23 / 10:01]
 JR益田駅(山陰本線・山口線)

 石見交通の高速乗合バス、広島新幹線口ゆきの「広益線」は、観光バス風の立派な車体だった。

 日原・柿木・七日市・六日市という「岩日北線」の予定ルートに沿って進むバス路線だ。
 岩日線が叶えられなかった、広島と益田を結ぶ主要な交通機関である。


 ■ 日原 ■
にちはら
日 原
NICHIHARA
あおはら
AOHARA
かきのき
KAKINOKI

 

[2016/07/23 / 10:33]
 道の駅シルクウェイにちはら
 かなり大きな施設である。

 バスは、山口線の日原駅には寄らず、道の駅に立ち寄った。

 島根県日原町は津和野町と合併し、今では津和野町になっている。町役場は旧・日原町に置かれており、観光客にはややこしい事になっている。
 町役場のマークを頼りに津和野を訪れると、日原に着いてしまう。JR津和野駅周辺が、元からの“城下町”津和野である。


 ■ 柿木 ■
かきのき
柿 木
KAKINOKI
にちはら
NICHIHARA
なぬかいち
NANUKAICHI

 

[2016/07/23 / 10:53]
 柿木(吉賀町)

[2016/07/23 / 10:58]
 道の駅かきのきむら

[2016/07/23 / 11:00]
 柿木(吉賀町)


 ■ 七日市 ■
なぬかいち
七日市
NANUKAICHI
かきのき
KAKINOKI
むいかいち
MUIKAICHI

 1956年に六日市町に編入合併されるまでは「七日市村」という独自の自治体であった。盆地が開けて、開放感のある集落だった。
 この区間の岩日北線は未着工である。七日市と六日市の間は、急峻な地形は少ないため、盛り土や高架橋が作られる計画だったと想像する。

[2016/07/23 / 11:10]
 七日市(吉賀町)

 山が離れ、稲穂が揺れ、盆地が広がった。
 予想よりもかなり大きな集落であり、岩日北線の駅が設置されるのは妥当な判断だと思った。

 地名やバス停は「なぬかいち」と読むようだが、駐在所は「なのかいち」と記載されている。

[2016/07/23 / 11:11]
 七日市バス停


 ■ 六日市 ■
むいかいち
六日市
MUIKAICHI
なぬかいち
NANUKAICHI
たかねぐち
TAKANEGUCHI

 岩日北線は錦町〜六日市駅で着工され、路盤は完成している。
 六日市駅予定地は温泉施設に転用された。今回は未訪問である。

[2016/07/23 / 11:19]
 六日市バス停
(吉賀町ふれあいホール)

 昔は、ここに国鉄バスの「六日市駅」があったようだ。

[2016/07/23 / 11:22]
 中国自動車道・六日市IC

[2016/07/23 / 11:24]
 岩日北線 六日市〜高根口

 しばらく左側を見ていたところ、鉄道の路盤が寄り添ってきたため、慌ててシャッターを切った。

 これが初めて見る「岩日北線」の路盤である。
 草が刈られているようで、難なく歩けそうだ。

 岩日北線はこの後、長大な「六日市トンネル」(4,679m)で、島根県から山口県に抜ける。

 ←六日市  高根口→


 ■ 深谷PA〜深谷峡 ■

[2016/07/23 / 11:28]
 中国自動車道・深谷橋より

 六日市トンネルが貫いているのは、かなり急峻な地形である。はるか下に深谷(ふかたに)川が流れていた。

 すでに県境を越えて、山口県岩国市(旧・錦町)に入った。

[2016/07/23 / 11:30]
 中国自動車道・深谷(ふかたに)PA
 上り線

 ここで高速バス「広益線」を降車した。
 宇佐川の集落に向かって、徒歩で降りてゆく。

[2016/07/23 / 11:36]
 中国自動車道・深谷PA(上り線)

 建物の裏側、左手が外に続く道となる。
 ちょっと分かりづらかった。

[2016/07/23 / 11:37]
 中国自動車道・深谷PA(上り線)

 島根県道・山口県道16号線に向かう下り坂。

[2016/07/23 / 11:38]
 バス停「深谷パーキング前」錦町方面
<岩国市生活交通バス(錦地域)>

 上り線の深谷PAから、島根県道・山口県道16号線に出た。
 バスは、尾川方面 7:13発の1日1本……。  

[2016/07/23 / 11:40]
 岩国市 錦町 向峠(むかたお)

 かなり山奥だが、小さな盆地になっている。
 この地には神楽が伝承されているという。

[2016/07/23 / 11:43]
 バス停「深谷パーキング前」寂地峡方面
<岩国市生活交通バス(錦地域)>

 中国自動車道をくぐった。
 ここを右に入ると、下り線側の深谷PAに出る。
 今回は未訪問である。

 バスは反対方面も1日1本である。  

[2016/07/23 / 11:44]
 島根県道・山口県道16号線(六日市錦線)

 ここから宇佐郷に向かって、見通しの悪い急な坂道を降りてゆく。たまに車が通るので、注意が必要となる。降雪時や夜間はお薦めできない。

 深谷PAが標高390m程度、国道434号線に合流する宇佐郷地区は標高245m程度のため、ほとんど一方的な下り坂である。今回は下りだから良かったが、逆コースで登るのはきついと思う。

[2016/07/23 / 11:45]
 島根県道・山口県道16号線(六日市錦線)

[2016/07/23 / 11:46]
 島根県道・山口県道16号線(六日市錦線)

 中国道の深谷橋を見上げた。

[2016/07/23 / 11:48]
 島根県道・山口県道16号線(六日市錦線)

 路肩を改良工事中。

[2016/07/23 / 11:50]
 島根県道・山口県道16号線(六日市錦線)
「深谷峡 風穴」

 深谷峡の風穴の案内が出ていた。階段が急な上に錆び付いていて、とても降りる気になれなかった。周囲に車を停められる場所もないが、どんな人の利用を想定しているのだろうか。

[2016/07/23 / 11:53]
 島根県道・山口県道16号線(六日市錦線)

 見通しの悪いカーブが連続する。

[2016/07/23 / 12:00]
 島根県道・山口県道16号線(六日市錦線)


 ■ 深谷峡〜宇佐郷 ■

[2016/07/23 / 12:02]
 県道16号線の終わりが近づき、景色が開けてきた。まだ岩日北線の路盤にはたどり着かないが、印象的な集落、宇佐郷(うさごう)について紹介したいと思う。
 かつての高根村の中心地であり、古くは山陰と山陽をつなぐ街道の町だったのだろう。
 清流「宇佐川」の恵みに満ちた集落である。

[2016/07/23 / 12:02]
 真っすぐ進めば国道434号線に合流するが、ここは「深谷峡温泉」の案内のある右側に曲がった。

[2016/07/23 / 12:05]
「深谷峡温泉 清流の郷」
 キャンプ場のようだ。川遊びをする家族連れの姿が見えた。

[2016/07/23 / 12:06]
 深谷峡温泉 清流の郷

 汗を流したい気もしたが、今回はスルーした。

 岩国市生活交通バス「深谷峡温泉」のバス停はこの付近にあると思われる。錦川鉄道の錦町駅から約30分である。
 2016年7月現在、7往復/日が運行されている。

 中国自動車道の深谷PAから徒歩で約30分、ここまで来れば公共交通が復活する。天候や体調の悪い時は錦町駅までバスを利用可能である。

[2016/07/23 / 12:12]
 宇佐川小学校(旧・高根小学校)

 この日は何かの行事があったようで、住民の方や児童の姿が見えた。行きずりの旅人の私にも、気持ちよく挨拶をしてもらった。

[2016/07/23 / 12:13]
 岩国市 錦町 宇佐郷

 赤い丸ポストが懐かしい雰囲気。

[2016/07/23 / 12:14]
 宇佐川を渡り、国道に合流する。

[2016/07/23 / 12:14]
「宇佐川小学校前」バス停

 川を渡りきったところのバス停。

[2016/07/23 / 12:15]
 突然、古びた商店街が現れた。
 街道町・宇佐郷の商業地域である。

 忘れられたような集落だった。

[2016/07/23 / 12:16]
 宇佐郷

 かつては栄えていた時期もあったのだろう。

[2016/07/23 / 12:16]
 宇佐郷

 床屋は営業中のようだった。

[2016/07/23 / 12:23]
 国道を歩いて行くと、ちょっとしたパーキングが。
 自販機で飲料を調達した。

 ここに「錦町観光案内 北部」という古い観光地図があったので見てみる。(このような観光地図を見るのは筆者の好みである)

[2016/07/23 / 12:23]
 観光地図「錦町観光案内 北部」

 岩日北線のルートが忠実に描かれている!
 駅の位置も明記されている。
 これぞ、古い観光地図の醍醐味だと思う。

※赤字の駅名は筆者が加筆(画像加工)

[2016/07/23 / 12:25]
 高須僻地保育所

 立派な保育所であるが――。
 2016年4月、つまり3ヶ月前から休園となり、閉鎖されていた。かなり過疎化と少子高齢化が進行しているものと思われる。

[2016/07/23 / 12:26]
 宇佐郷・浅原地区

 稲穂の緑が鮮やかだった。


 ■ 須川地区 ■

[2016/07/23 / 12:32]
 岩国市 錦町 小山田

 小さな峠越えだった。おそらく、ここが旧・高根村と旧・深須村の境目だったのではないか。

 国道434号線のヘキサが立っていた。

[2016/07/23 / 12:36]
 岩国市 錦町 小山田

 小さな峠を振り返った。

 まだ岩日北線の路盤は現れない。
 日差しの降り注ぐ中、淡々と歩いた。

[2016/07/23 / 12:37]
 岩国市 錦町 小山田

 宇佐川を渡った。奥に吊り橋が見えた。
 

[2016/07/23 / 12:42]
 オートキャンプ場「須川家族村」

 夏の土曜日、家族連れで賑わっていた。

 この辺りに民家はない。

[2016/07/23 / 12:49]
 ついに岩日北線の路盤が見えた!
 廃線(未成線)探索活動の開始となる。

 <拡大図>
  ←高根口     六日市→
 第4宇佐川橋梁
 


 ■ 六日市トンネル〜第4宇佐川橋梁 ■

[2016/07/23]
[動画]
 高根口駅⇒六日市トンネル(第4宇佐川橋梁)

[2016/07/23 / 13:13]
 岩日北線 六日市〜高根口
 六日市トンネル(錦町側)

 真夏だが、冷たい風が通り抜けた。
 緑に埋もれるようにして、たたずんでいた。

 これが六日市トンネル(4,679m)の坑口である。

[2016/07/23 / 13:16]
 岩日北線 六日市〜高根口
 六日市トンネル(錦町側)

 金網の隙間から撮影。
 1977年の竣工から約40年経過しているが、中は綺麗に見えた。何かの資材が置かれていた。

 活用の予定もなく、無念の長大トンネルである。

[2016/07/23 / 13:16]
 岩日北線 六日市〜高根口
 第4宇佐川橋梁

 六日市トンネルを抜けた岩日北線は、すぐに「第4宇佐川橋梁」を渡り、高根口駅に至る。

 これまで、いくつかの鉄道建設公団の未成線を見てきたが、2016年現在残る遺構では最大級の一つであると思う。

[2016/07/23 / 13:16]
 岩日北線 六日市〜高根口

 第4宇佐川橋梁(153m)の前面展望。
 立体感のある「上須川」の集落を眺めた。

 石州瓦の赤い瓦屋根が美しい。この地は山口県だが、山陰地方の山村の趣だった。日本海側の石見との結びつきが強かったのだろう。

 ↓六日市  高根口↑

[2016/07/23 / 13:17]
 岩日北線 六日市〜高根口

 右に目を向ければ、清流・宇佐川を俯瞰する。

 ↓六日市  高根口↑

[2016/07/23 / 13:17]
 岩日北線 六日市〜高根口

 本記事の冒頭でご紹介した「幻の車窓」。

 叶うならば、列車から見たかった。

 ←六日市  高根口→

[2016/07/23 / 13:17]
 岩日北線 六日市〜高根口

 車窓の「上須川」集落を見つめた。
 列車なら一瞬で通り過ぎたことだろう。

 蛇行する宇佐川や国道434号線を一気にまたぎ、高架の鉄道は真っ直ぐに進む。爽快だ。

 ←六日市  高根口→

[2016/07/23 / 13:19]
 岩日北線 六日市〜高根口

 第4宇佐川橋梁を渡ると、高根口駅の予定地(右奥)に至る。

 ↓六日市  高根口↑

[2016/07/23 / 13:19]
 岩日北線 六日市〜高根口

 渡ってきた「第4宇佐川橋梁」を振り返った。
 橋のすぐ向こう側が「六日市トンネル」である。

 ↑六日市  高根口↓

[2016/07/23 / 13:00]
 岩日北線 六日市〜高根口

 国道から見上げると、このように見える。

 どう見ても、現役の鉄道橋にしか見えない!
 今にも列車が走ってきそうだ。

 中国自動車道の深谷PAから約80分歩いてきただけに、感動もひとしおであった。

 ←高根口  六日市→

[2016/07/23 / 13:01]
 岩日北線 六日市〜高根口

 同時期に建設が進んだ陰陽連絡線の智頭急行も、岩日北線と同じ1980年に建設が凍結された。その後、高速化の投資が行われて開業し、京阪神と鳥取市を結ぶ優等生として活躍している。

 歴史にIFは禁物であるが、もし益田市が県庁所在地で15万人住んでいれば、岩日線・岩日北線の運命も変わっていたかも知れない。しかし仮に開業できたとしても、高速化しなければ、都市間輸送で高速バスに勝てなかっただろう。

[2016/07/23 / 13:00]
 岩日北線 六日市〜高根口

 国道を渡る部分にはツタが絡んでいる。

 最寄りのバス停は「上須川」である。

 ←高根口  六日市→

[2016/07/23 / 12:56]
 岩日北線 六日市〜高根口
 第4宇佐川橋梁

 反対側から橋梁を愛でる。

 ←六日市  高根口→

[2016/07/23 / 13:04]
 岩日北線 六日市〜高根口
 第4宇佐川橋梁

 斜め上から。
 自然の豊かな山里をゆく。

 ←高根口  六日市→


 ■ 高根口 ■
たかねぐち
高根口
TAKANEGUCHI
むいかいち
MUIKAICHI
しもすがわ
SHIMO-SUGAWA

[2016/07/23 / 13:24]
 高根口駅(予定地)

↑六日市  下須川↓

[2016/07/23 / 13:24]
 高根口駅(予定地)付近
 上の写真と反対方向を撮影。

↑下須川  六日市↓

[2016/07/23 / 13:03]
 高根口駅(予定地)

 鉄道建設公団(鉄建公団)らしい構造物が続く。

[2016/07/23 / 13:25]
 岩日北線・高根口〜下須川

 鉄道は真っ直ぐに山へ突っ込む。
 宇佐川と国道は蛇行する。

 ↑下須川  高根口↓

[2016/07/23 / 13:26]
 岩日北線・高根口〜下須川

 振り返って、高根口駅の方向を見た。

 ↑高根口  下須川↓

[2016/07/23 / 13:26]
 岩日北線・高根口〜下須川

 小さな橋梁を渡る。

 ↑下須川  高根口↓

[2016/07/23 / 13:27]
 岩日北線・高根口〜下須川
 第3須川トンネル(460m)

 路盤を辿れるのも、ここまでとなる。

 このトンネルは、研究機関の地震観測施設として転用されているらしい。ドアが見えた。

 ↑下須川  高根口↓

[2016/07/23 / 13:31]
 岩日北線・高根口〜下須川

 先ほど歩いた路盤を見上げた。

 ←高根口  下須川→

[2016/07/23 / 13:37]
 古江という集落を過ぎた。
 正面に国道の「須川トンネル」が見えてくる。

 ここで旧道に左折する。


 ■ 須川橋梁 ■

[2016/07/23 / 13:39]
 岩日北線・高根口〜下須川
 須川橋梁(153m)

 国道の須川トンネルを迂回する旧道に入ると、岩日北線の路盤が清流の向こうに見えてきた。

 ←高根口  下須川→

[2016/07/23 / 13:41]
 岩日北線・高根口〜下須川
 須川橋梁(153m)

 山が河に迫る、険しい地形である。

 ↓高根口  下須川↑

[2016/07/23 / 13:42]
 岩日北線・高根口〜下須川
 須川橋梁(153m)

 夏草のため、第3須川トンネルは見えず。

 ↑高根口  下須川↓

[2016/07/23 / 13:44]
 岩日北線・高根口〜下須川
 須川橋梁(153m)

 ←高根口  下須川→

[2016/07/23 / 13:44]
 岩日北線・高根口〜下須川
 須川橋梁(153m)

 ↓高根口  下須川↑

[2016/07/23 / 13:46]
 岩日北線・高根口〜下須川
 須川橋梁(153m)

 今にも特急電車や通勤電車が走ってきそうだ。
 山の中を貫く高規格な鉄道に改めて驚いた。

 これだけ立派な施設が活用されないのは無念であるが、列車を走らせることで赤字を生むならば、やむを得ないと思った。

 ↓高根口  下須川↑

[2016/07/23 / 13:47]
 岩日北線・高根口〜下須川
 須川橋梁(153m)

 ↑高根口  下須川↓


 ■ 下須川 ■
しもすがわ
下須川
SHIMO-SUGAWA
たかねぐち
TAKANEGUCHI
すおうふかがわ
SUO-FUKAGAWA


[2016/07/23 / 13:55]
 岩日北線・高根口〜下須川

 沼田口というバス停を過ぎると、立派な路盤が見えてきた。

 ←高根口  下須川→

[2016/07/23 / 13:57]
 岩日北線・下須川駅
 右上は信号機の予定地

 岩国市生活交通バス(錦地区)が深谷峡温泉を目指す。

[2016/07/23 / 13:58]
 岩日北線・下須川駅

 ここが駅(予定地)の入口である。
 短い「深須橋梁」をくぐり抜ける。

 ←高根口  周防深川→

[2016/07/23 / 13:59]
 岩日北線・下須川駅

 上記の「深須橋梁」を反対側から見た。

 ←周防深川  高根口→

[2016/07/23 / 14:02]
 岩日北線・下須川駅

 下須川駅の予定地の全景。
 トンネルに挟まれた駅である。
 ←周防深川  高根口→

・六日市側(右)に進むと
→「第1須川トンネル」(369m)

・錦町側(左)に進むと
←「第3小山トンネル」(1,650m)

[2016/07/23 / 14:00]
 岩日北線・下須川駅

 下須川駅の「車窓」である。

 ←周防深川  高根口→

[2016/07/23 / 14:02]
 岩日北線・高根口〜下須川
 第1須川トンネル(369m)

 ↑高根口  下須川↓

[2016/07/23 / 14:02]
 岩日北線・下須川駅

 六日市方面
 奥は「第1須川トンネル」(369m)

 ↑高根口  周防深川↓

[2016/07/23 / 14:03]
 岩日北線・下須川駅

 錦町方面
 奥は「第3小山トンネル」(1,650m)
 六日市側の坑口

 ↑周防深川  高根口↓

[2016/07/23 / 14:02]
 岩日北線・下須川〜周防深川
 第3小山トンネル(1,650m)

 ↑周防深川  下須川↓

[2016/07/23 / 14:08]
 岩日北線のトンネルを迂回し、国道を歩いた。
 大将陣茶屋(手前)を過ぎると下須川の集落に入る。

[2016/07/23 / 14:13]
 下須川バス停
 清流線(錦川鉄道)の利用促進の看板が。
 

[2016/07/23 / 14:16]
 深須小学校(跡)

 2002年に休校。
 2014年に廃校となったようだ。

[2016/07/23 / 14:17]
 国道434号線
 しだいに山深くなり、乙女峡トンネルに至る。

 左側の宇佐川対岸に見えるのは、トンネルで改良される前の旧道と思われる。

[2016/07/23 / 14:20]
 国道434号線・乙女峡トンネル(328m)

 トンネルに突入するバスは、鉄道が未成線に終わった岩日北線沿線の、山口県側の交通を代替する「岩国市生活交通バス (錦地域)」である。

 だんだん残り時間が少なくなってきたので、わずかな区間でも、このバスに乗れば良かった。目的の岩日北線は、依然として「第3小山トンネル」で山の中を貫いている。

[2016/07/23 / 14:24]
 国道434号線・乙女峡トンネル(328m)

 国道のトンネルを抜けて、振り返った。
 立ちはだかる山を貫いている。

[2016/07/23 / 14:26]
 岩日北線・下須川〜周防深川
 再び右奥に、岩日北線の橋梁が見えた!

<拡大図>
 ←下須川  周防深川→
 第3宇佐川橋梁
 


 ■ 深須郵便局付近 ■

[2016/07/23 / 14:39]
 岩日北線・下須川〜周防深川
 第3小山トンネル(1,650m)
 錦町側の坑口

 ↑下須川  周防深川↓

[2016/07/23 / 14:33]
 岩日北線・下須川〜周防深川

 ↑下須川  周防深川↓

 左側に信号機の台座らしき場所が見える。
 ここは駅の予定地ではないはずだが、1両分の簡易的なホームなら作れそうだ。
 付近は下須川駅と周防深川駅のほぼ真ん中である。もし第三セクターで開業したら「深須駅」が追加で設置されていたかも知れない。

[2016/07/23 / 14:39]
 岩日北線・下須川〜周防深川
 第3宇佐川橋梁

 ↑周防深川  下須川↓

[2016/07/23 / 14:29]
 岩日北線・下須川〜周防深川
 第3宇佐川橋梁
 深須郵便局付近

 ←下須川  周防深川→

[2016/07/23 / 14:39]
 ↑周防深川  下須川↓

 深須郵便局を跨ぐ「第3宇佐川橋梁」
 岩日北線で印象的な風景の一つである。

 バス停は「深須郵便局前」が最寄りである。

[2016/07/23 / 14:41]
 岩日北線・下須川〜周防深川
 第3宇佐川橋梁

 ←周防深川  下須川→


 ■ 雙津峡温泉 (岩日北線記念公園 《とことこトレイン》)
そうづきょうおんせん
雙津峡温泉
SOZUKYO-ONSEN
しもすがわ
SHIMO-SUGAWA
すおうふかがわ
SUO-FUKAGAWA

 岩日北線の活用を検討していた錦町(現・岩国市)は「山口きらら博」で使われた列車を購入し、錦川鉄道の錦町駅から雙津峡温泉駅まで、遊覧列車「とことこトレイン」として整備した。
 幻の未成線を「列車」で走り抜けることができる、貴重な施設である。

[2016/07/23 / 14:45]
 雙津峡(そうづきょう)温泉

 岩国市北部、旧錦町で力を入れている観光地である。バス停は「雙津峡温泉」で、左奥の小高い場所に温泉施設がある模様。

[2016/07/23 / 14:46]
 上記の写真から国道を挟んだ反対側に、赤い吊り橋がある。
 あまり目立った案内は見当たらなかったが、この先に岩日北線の路盤を活かした「とことこトレイン」の雙津峡温泉駅がある。(少々分かりづらいが、左側の奥の建物が、雙津峡温泉駅の東屋)

 ←周防深川  下須川→

[2016/07/23 / 14:46]
 吊り橋を渡った所で振り返った。
 正面の奥が雙津峡温泉、左奥が国道の橋。

[2016/07/23 / 14:47]
 雙津峡温泉駅
 岩日北線記念公園「とことこトレイン」終着駅

 吊り橋を渡ると、すぐに急な坂道が現れる。
 ここが「雙津峡温泉駅」の入口である。

[2016/07/23 / 14:50]
 雙津峡温泉駅
 岩日北線記念公園「とことこトレイン」終着駅

 これが雙津峡温泉駅の全景である。
 時刻は14:50で、ちょうど遊覧列車が到着した。

 事前に電話予約していた15:00出発の最終便に何とか間に合った。

[2016/07/23 / 14:49]
 雙津峡温泉駅
 岩日北線記念公園「とことこトレイン」終着駅

 ここで遊覧列車は終着となり、この先のトンネルは閉ざされている。

 ↑下須川  周防深川↓

[2016/07/23 / 14:48]
 雙津峡温泉駅
 岩日北線記念公園「とことこトレイン」終着駅

 駅名標も用意されている。
 遊覧列車「とことこトレイン」に途中駅はない。
 次は終点の錦町となっている。

 岩日北線の敷設計画では、この先、中間駅として周防深川駅・出市駅が設置される予定であり、逆にこの雙津峡温泉駅は計画になかった。

[2016/07/23 / 14:49]
 雙津峡温泉駅
 岩日北線記念公園「とことこトレイン」終着駅

[2016/07/23 / 14:50]
 雙津峡温泉駅
 岩日北線記念公園「とことこトレイン」終着駅

 奥に見えるのは「第1小山トンネル」(51m)

 岩日北線・下須川〜周防深川

 ↑周防深川  下須川↓

[2016/07/23 / 15:00]
 雙津峡温泉駅
 岩日北線記念公園「とことこトレイン」終着駅

 最終便の出発時刻15:00となり、いよいよ遊覧列車が動き出した。


 ■ 第2宇佐川橋梁 ■

[2016/07/23 / 15:02]
 岩日北線・下須川〜周防深川
 第2宇佐川橋梁(99m)

 遊覧列車「とことこトレイン」の後方展望である。

 ↑雙津峡温泉  周防深川↓

[2016/07/23 / 15:02]
 岩日北線・下須川〜周防深川
 第2宇佐川橋梁(99m)

 山側の「幻の車窓」

 かなりの高さから宇佐川を見下ろした。
 遊覧列車から「岩日北線」と同じ車窓を見ることができて、とても貴重な体験であった。未成線となった鉄道が観光資源として、曲がりなりにも交通機関として活用されている希有な事例である。

 ←雙津峡温泉  周防深川→

[2016/07/23 / 15:02]
 岩日北線・下須川〜周防深川
 第2宇佐川橋梁(99m)

 同じ橋梁から、国道側の「車窓」を見た。
 清流と緑の山里をゆく鉄道路線だった。

 路盤の影響だと思うが、遊覧列車は上下の振動が激しかった。

 ←周防深川  雙津峡温泉→

[2016/07/23 / 15:03]
 岩日北線・下須川〜周防深川

↑雙津峡温泉
 ▲第1小山トンネル(51m)
    ・
 □第2宇佐川橋梁(99m)
    ・
  ☆現在地
 ▲道念トンネル(190m)
    ・
↓周防深川

[2016/07/23 / 15:03]
 岩日北線・下須川〜周防深川
 道念トンネル(190m)

 中は真っ暗だった。
 このトンネルを抜ければ周防深川駅の予定地となる。

 ↑雙津峡温泉  周防深川↓


 ■ 周防深川 ■
すおうふかがわ
周防深川
SUO-FUKAGAWA
しもすがわ
SHIMO-SUGAWA
いずし
IZUSHI

 道念トンネルの錦町側が、周防深川駅の予定地だったようだ。

[2016/07/23 / 15:04]
 岩日北線・下須川〜周防深川

 道念トンネルを出たところの様子。
 コンクリートの壁が鉄建公団の路線らしい。
 びっしりと生えた苔に年月を感じる。

 ↑周防深川  下須川↓

[2016/07/23 / 15:04]
 岩日北線・下須川〜周防深川
 道念トンネル

 後方を振り返った。

 ↑下須川  周防深川↓

[2016/07/23 / 15:04]
 周防深川(すおうふかがわ)駅

 近くに民家があり、駅らしい雰囲気があった。
 なお、この付近でメインとなる「柿木原」の集落は宇佐川の対岸にある。

[2016/07/23 / 15:04]
 岩日北線・周防深川駅(予定地)

 奥に見える「道念トンネル」の手前側のスペースが周防深川駅の予定地と思われる。

[2016/07/23 / 15:04]
 岩日北線・周防深川駅(予定地)

[2016/07/23 / 15:05]
 岩日北線・周防深川〜出市

 しばらくトンネルは無く、地上区間が続く。
 桜並木が続き、春は名所となっているようだ。

 かなり高規格な路線である。

 ↑周防深川  出市↓


 ■ 深川橋梁〜深竜寺トンネル ■

[2016/07/23 / 15:02]
 岩日北線・周防深川〜出市
 深川橋梁(97m)

 左に見えるのは国道434号線。
 鉄道と道路の間を宇佐川が流れる。

 ↑周防深川  出市↓

[2016/07/23 / 15:06]
 岩日北線・周防深川〜出市

 再び気持ちの良い並木道に入った。

 ↑周防深川  出市↓

[2016/07/23 / 15:06]
 岩日北線・周防深川〜出市

 国道側の「車窓」
 対岸の国道沿いに集落が垣間見えた。

 ←出市  周防深川→

[2016/07/23 / 15:07]
 岩日北線・周防深川〜出市

 ↑周防深川  出市↓

[2016/07/23 / 15:08]
 岩日北線・周防深川〜出市

 路盤は深竜寺の近くに至る。
 この辺りは開放的な雰囲気だ。

 ↑周防深川  出市↓

[2016/07/23 / 15:08]
 岩日北線・周防深川〜出市

 深竜寺トンネル(20m)と一体的に工事されたと思われる立体交差のスロープが見えた。

 岩日北線で印象的な風景の一つである。

 ↑周防深川  出市↓

[2016/07/23 / 15:08]
 岩日北線・周防深川〜出市

 深竜寺トンネル(20m)

 遊覧列車はあっという間に通過した。
 短いが立派なトンネルである。

 ↑周防深川  出市↓

[2016/07/23 / 15:08]
 岩日北線・周防深川〜出市

 深竜寺トンネル(20m)

 おそらく右上が「深竜寺」方面である。

 ↑周防深川  出市↓

[2016/07/23 / 15:09]
 岩日北線・周防深川〜出市

 深竜寺トンネルを遠望。
 とことこトレインは快調に飛ばした。

 ↑周防深川  出市↓


 ■ 第1山根トンネル〜第1宇佐橋梁 ■

[2016/07/23 / 15:09]
 岩日北線・周防深川〜出市

 とことこトレインの後方展望。深竜寺トンネルを過ぎると、しだいに山が迫ってきた。

 ↑周防深川  出市↓

[2016/07/23 / 15:10]
 岩日北線・周防深川〜出市

 まもなく「第1山根トンネル」に入る。

 ↑周防深川  出市↓

[2016/07/23 / 15:10]
 岩日北線・周防深川〜出市
 第1山根トンネル(1,157m)

 岩日北線として着工された錦町〜六日市間で、4番目に長い「第1山根トンネル」(1,157m)に入った。
 遊覧列車「とことこトレイン」では「コウモリの住むトンネル」と案内されていたが、この日、コウモリの姿を見ることはなかった。

 ↑周防深川  出市↓

[2016/07/23 / 15:13]
 岩日北線・周防深川〜出市
 第1山根トンネル(1,157m)

 ↑出市  周防深川↓

[2016/07/23 / 15:15]
 岩日北線・周防深川〜出市
 第1山根トンネル(1,157m)

 このトンネルを抜けるのは5分以上かかる。やや不安になる長さであった。
 一枚だけフラッシュを炊いて撮影した。明かりは一切なく、トンネルの長さと相まって、暗闇の度合いが深い。遊覧列車は錦川鉄道のテーマソングを大音響で流し続け、恐怖感を和らげていた。

 ↑周防深川  出市↓

[2016/07/23 / 15:16]
 岩日北線・周防深川〜出市
 第1山根トンネル(1,157m)

 トンネルの出市側の坑口。
 ゲートがあり、閉じられるようだ。

 ↑周防深川  出市↓


 ■ 出市 ■
い ず し
出 市
IZUSHI
すおうふかがわ
SUO-FUKAGAWA
にしきちょう
NISHIKICHO

 遊覧列車「とことこトレイン」にて、出市(いずし)駅の予定地を通過した。高架駅のホームが出来上がっていた。
 第一宇佐川橋梁(210m)の途中に駅の構造物がある。

[2016/07/23 / 15:21]
 出市駅(予定地)を通過。
 ホームの周防深川方面である。

[2016/07/23 / 15:21]
 出市駅(予定地)を通過。
 ホームから清流を見下ろせるはずだった。

[2016/07/23 / 15:21]
 出市駅(予定地)を通過

[2016/07/23 / 15:21]
 出市駅(予定地)を通過

 遊覧列車の後方展望を撮影。
 ホームの構造物が出来上がっている。

 

[2016/07/23 / 15:22]
 出市駅(予定地)を通過

[2016/07/23 / 15:22]
 出市駅(予定地)を通過


 ■ きらら夢トンネル(広瀬トンネル) ■

[2016/07/23 / 15:31]
 岩日北線記念公園《とことこトレイン》
 「きらら夢トンネル」(広瀬トンネル)

 錦川鉄道のホームページによると「光る石を使って山口県内の大学及び地元小学生、幼稚園児等が壁紙を描いた幻想的なトンネル」(以上引用)との事である。
 長いトンネルを逆手に取って、観光に活用するというアイディアは素晴らしい。遊覧列車「とことこトレイン」は好調な乗車率を維持しているようだ。

[2016/07/23 / 15:31]
 岩日北線記念公園《とことこトレイン》
 「きらら夢トンネル」(広瀬トンネル)

 これは鉄道好きでなくても楽しめる施設だ。

[2016/07/23 / 15:33]
 岩日北線記念公園《とことこトレイン》
 「きらら夢トンネル」(広瀬トンネル)

[2016/07/23 / 15:34]
 岩日北線記念公園《とことこトレイン》
 「きらら夢トンネル」(広瀬トンネル)

[2016/07/23 / 15:34]
 岩日北線記念公園《とことこトレイン》
 「きらら夢トンネル」(広瀬トンネル)


 ■ 錦町 ■
にしきちょう
錦 町
NISHIKICHO
いずし
IZUSHI
やなぜ
YANAZE

[2016/07/23 / 15:38]
 岩日北線・出市〜錦町
 広瀬トンネル(きらら夢トンネル)
 錦町側の坑口
 

[2016/07/23 / 15:40]
 とことこトレイン・錦町駅

[2016/07/23 / 15:40]
 とことこトレイン・錦町駅

[2016/07/23 / 15:43]
 錦川鉄道・錦町駅

 標語「清流線あなたの利用で存続を」
 の訴えが切実である。

 観光用の「とことこトレイン」は人気だったが、そのまま清流線に乗り継いだのは、私しかいなかったように見えた。

[2016/07/23 / 15:43]
 錦川鉄道・錦町駅

「お父さんマイカーやめて清流線」

 さらに強烈な標語であった。事業継続に向けて強い危機意識が感じられた。

[2016/07/23 / 15:51]
 錦川鉄道・錦町駅

 岩国ゆきの錦川清流線「せせらぎ号」に乗車。

 益田から日原を経由し、清流線の起点となる岩国市・川西駅まで、岩日線の構想をなぞる旅も、いよいよあと1時間ほどで成就となる。
(以下、作成中)

[2016/07/23 / 16:39]
 錦川鉄道・北河内(きたごうち)駅

 ここで列車交換した。
 錦川清流線で唯一の交換可能駅である。

[2016/07/23 / 17:05]
 JR岩徳線・川西駅

 錦川清流線の0キロポストが立っていた。