(C)Ryo Akizuki
KeY: 親分

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 やつらはリンローナたちの近くまでやって来ると、

 一斉にナイフを手に取った。

 山賊の親分であろう中年の男が、馬にまたがったまま前に歩み出る。

 顔は無精ひげだらけ、

 一筋の切り傷が目を引く。

 ……やつは低い声で、だがはっきりと言う。

「さっさと金を出せば、ここを通してやる。

 女でも構わねえ。

 ただし、歯向かえば……命の保証はないぜ。

 俺たちだって、手荒な真似はしたくない。

 さあ、金を出すんだ」

 リンローナの身体は、極度の緊張で石のように堅くなっていた。

 呼吸さえ苦しい。

 シェリアは、やつの眼を睨み付けた。

 ケレンスとタックは微動だにしない。

 騎士を目指しているルーグは、やつの理不尽な台詞が許せない。

 怒りをこめて叫んだ。

「断る!」

 ……やつは笑みを浮かべる。

「それなら仕方ねえな。殺して奪うのみだ」



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