夜の闇が街を覆う。 三人は約束の酒場でミシロンの到着を待っていた。 「遅いなあ。どうしたんだろう」 リンローナは首をかしげた。 父がなかなか現れないからだ。 「ちょっと様子を見てくるね」 リンローナは席を立った。ルーグが心配そうに言う。 「気をつけろよ」 「うん」 宿屋を飛び出し、港の方角に向かうリンローナ。 辺りは暗闇に沈み、自分の鼓動だけがやけに大きく響く。 「おい、嬢ちゃん」 突然男の声がして、彼女の肩をつかんだ。 「きゃっ!」 びっくりして、飛び上がりそうになる。 が、次の瞬間、リンローナは絶句した。 首筋に何か冷たいものを当てられたからだ。 目には見えなくても、その「何か」はおおよそ想像できる。 ……先の尖ったナイフ。 「声を出すな。声を出したら殺すぞ」 男は低い声で言った。 リンローナは恐ろしくて泣きそうになる。 「……んっ……ぐすっ」 「おい、泣くな! 殺されたいのか! とにかく、さっさと金を渡せ!」 「物騒な世の中になったものですねえ……」 どこからか少年の声がした。 「おい、誰だ!」 男はヒステリックに叫ぶ。 ……その時、ランプの灯が灯った。 闇に浮かび上がる、二人の少年。 一人はランプを持ち、もう一人は剣を……。
★STORYs-ルデリアの全体像

