(C)Ryo Akizuki
KeY: 感謝

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 魔術師は、手品なのか魔法なのか……とにかく不思議な術を披露する。

 次々と沸き起こる歓声。

「すごーい!」

 リンローナたちも、それに魅了されていた。

 楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、魔術師はショーの終わりを告げる。

 小さな白い皿に、お金が投げ込まれる。

 魔術師は盛んに拍手を浴び、礼を繰り返していた。
 
「アンコール見たい!」

 シェリアが甲高い声で叫ぶ。

 すると、観客のあちこちから「アンコール!」という言葉が飛び出した。

 それが大きなうねりとなり、最高潮に達した頃。

 魔術師がぱちんと指を鳴らすと、彼の目の前に細長い筒が現れた。

 聴衆はしいんと黙り、魔術師はその筒に語りかける。

 拡声器の類らしく、彼のささやきが辺りに響きわたる。

「本日はありがとうございます。

 たくさんの方に来ていただき、評価され、感謝の気持ちでいっぱいです。

 これからも私の芸をご覧いただけると幸いです。

 それでは期待にお応えして、ちょっとしたアンコールをひとつ……。

 本日の締めくくりとさせていただきます」

「やった!」

 ルーグは嬉しそうに叫ぶ。

「わあい、わあい」

 リンローナも楽しそうに笑っていた。

 大きな声援と拍手の中で、魔術師は再び右手を掲げる……。



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