「ちょっと買い物に行ってくるわね」

「日没の時間に、広場で合流しよう」

　シェリアとルーグが言った。

「ああ」

　ケレンスはぶっきらぼうに答える。

「それから、今晩の宿を探そう」

　ルーグはそう言い、シェリアと二人で町中に消えていった。

「行っちゃいましたね……」

　タックがつぶやく。

「結局、いつものパターンだね」

　リンローナが言った。



　リンローナの冒険者仲間は、全部で四人。

《魔術師で、姉のシェリア》

《戦士で、リーダーのルーグ》

《剣術士のケレンス》

《盗賊のタック》



　……とにかく。

　新しい街へ到着すると、ルーグとシェリアはすぐに二人で出かけてしまうのだ。

「あたしたちも、お買い物に行こうか？」

　そう言ったリンローナは、ちょっと嬉しそう。

　リンローナだって、女の子なのだ。

「仕方ねえなあ……」

　ケレンスはめんどくさそうだ。

「とりあえず、歩き出しましょう」

　タックが言った。