「そこのお店に入ろうか?」 リンローナが指さしたのは〈魔法屋シェラデール〉。 「そうですね」 タックが言った。 「俺は向かいのとこに行ってるぜ」 ケレンスは剣の店へと歩いていく。 ……魔法屋の中はかなり狭苦しい。 無造作に、たくさんの商品が並べられている。 リンローナは書物をぱらぱらとめくってみた。 「難しそう……」 それを横から覗くタック。 「魔法書ですか。……どれが簡単で、どれが難しいのか。 僕には、それさえ区別できません」 「あたしも、聖術以外の本はあんまりわからないよ」 「そうなんですか」 「うん」 リンローナは目移りしている。 「これは何だろう?」 〈精神回復薬〉と書かれた瓶に、草の葉がつまっている。 「葉をすりつぶして飲むと、精神集中が保たれるんじゃ」 背の低い老婆が言った。どうやら店員のようだ。 「じゃ、魔法を使う前に飲むんですか?」 「そういうことになっとる」 「ふ〜ん。……これは?」 リンローナが指さしたのは、小さな赤い水晶玉。 値札を見ると、かなり高めだ。 老婆は大事そうに持ち上げ、説明を始める。 「これはな……」
★STORYs-ルデリアの全体像

