「町並みが、整然としてるね」 リンローナは興味深げにあちこちを眺めている。 ……夕方にはまだ時間がある。 冒険者の一団は、広場に向かった。 「ねえ。お兄ちゃんたち、川下りしない?」 そこに現れた一人の男の子。 まだ十歳くらいか。 「ラーヌ河は綺麗だぜ!」 しきりにまとわりつく少年。 身なりは、お世辞にも良いとは言えない。 「……悪いが、私たちは貧乏な冒険者。 遊んでいる暇はないんだ。 少年よ、これで許してくれ」 リーダーのルーグははっきりと断り、銅貨を一枚だけ手渡す。 「……そうかよ。けちんぼ!」 大声で叫ぶと、少年は風のように走り去った。
★STORYs-ルデリアの全体像

