翌日の午後、旅の一休み。 「おい、今日はやけに静かだな。何かあったのか?」 草原の坂道に寝転がり、ケレンスはリンローナに訊ねた。 「うん……何でもない」 「あ、そう」 「……」 「だったら、そんなしけた顔するなよ」 「……ごめんね。昨日の夜から、ちょっと考え事をしてて」 「おめえ、バカ明るいのがとりえなんだからさ。 明るくいこうぜ。な?」 ケレンスは軽く言ったが、やはり心配そうだった。 ……白い雲はゆっくりと流れている。 「ねえ、ケレンス?」 「何だ?」 「……やっぱり、いいや。何でもない」 「おいおい。気になるじゃねえか」 「嫌な質問してもいい?」 「は? 嫌な質問?」 ケレンスは興味津々。思わず身を乗り出す。 「ケレンスの、お母さんのことなんだけど……」 リンローナがそう言うと、彼の顔は急に曇った。
★STORYs-ルデリアの全体像

