(C)Ryo Akizuki
KeY: 発表

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「……ふ〜、ぎりぎりセーフ!」

 ナミリアは息を弾ませ、教室に滑り込んだ。

 そのすぐ後ろから、教授が現れる。

 ナミリアは鞄を開け、筆記用具を出す。

(間に合ってよかったね)

 リンローナはちいさく囁いた。

 応じるナミリアもこそこそ声。

(うん。この教授、自分は遅れるくせに、学生が遅刻すると怒るんだよね)

「……オホン。それでは出席をとるー」

 咳払い一つ、白髪の爺さんは名簿のチェックを始めた。

「アルタリア君」

「はい」

「ベイヌ君」

「はあい」

 ……。

「エレフィン君」

「Zzz……」

(ナミ、早速また寝てる。走って疲れたんだろうなあ)

 また寝るナミリアもナミリアだが、

 疲れたんだろうで済ませるリンローナもリンローナ。

 ……お互い、相当なのんき者だ。

「はい」

 リンローナは快く代返をしてあげた。

 教授にはばれていないらしい。

 ……。

「ライザ君」

「へい」

「ラサラ君」

「はーい」

「それでは授業に入る。今回の発表の担当者は……」

「あたしです」

 リンローナはさっと手を挙げる。

「それではラサラ君、始めてくれたまえ」

「はい。えーっと、あたしが選んだ今回のテーマは……」



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