「リナ先輩、今日は何を作る予定なんですか?」 横のテーブルで魚を切り刻んでいるリナに、リンローナが訊ねた。 「魚の煮物……」 「相変わらず、渋い趣味ですねー」 「……ありがとう」 リナは、その間も無表情で作業を続けている。 怒っているわけでもないし、また、感情が無いわけでもない。 感情を表に出さない性格なのだ。 おしゃべり好きのリンローナとは正反対のようだが、 友人関係は、こういう組み合わせの方が案外うまくいくものである。 (それにしても、リナ先輩って面白いよねー) お料理のメニューに限らず、リナは相当変わった人である。 (今年の誕生日には、小さなゴミ箱を貰ったっけ……) そんなリナだから、普通の人にはあまり相手にされない。 しかし、リンローナはすぐに彼女とうち解けることが出来た。 今では大の仲良しである。 態度には余り表さないが、リナはリンローナに感謝している様子だ。 リンローナは思った。 (誰とでも仲良くできるのって、あたしの最大の長所かもね!)
★STORYs-ルデリアの全体像

