「あった!」 父はぶどう酒の瓶を見て叫ぶ。 「ナミリア、お前、その高級ワインを開けたのか?」 「あ……えっと……」 「ところで、そこの君は誰だ?」 「お邪魔してます。ナミリアの友達の、リンローナ・ラサラです」 彼は目を丸くした。 「君があのリンローナちゃんか?」 「は、はい」 リンローナは頬を赤らめ、緊張気味に答えた。 ……もちろん、酒のせいもある。 その間に、ナミリアは言い訳を思いついた。 「そうそう、リンローナが飲みたいって言ったから、ワイン開けちゃった……。 ごめんなさい、お父さん」 「え?」 リンローナは、ナミリアと彼女の父とを交互に見つめ、目を白黒させた。 「あの、あたし……」 父は諦めたように言う。 「……そうか。お客さんに出すんなら結構な話だ。 遠慮せず楽しんでいってくれ、リンローナちゃん」 「すみません……」 「それじゃ」 彼は部屋を後にした。
★STORYs-ルデリアの全体像

