「頑張って」 「うん」 友達のナミリアに励まされ、 緊張気味のリンローナは魔法陣の前に歩み出た。 今日は必修科目「聖術基礎演習」の実技試験の日。 ついに、リンローナの発表する番が回ってきたのだ。 「それでは、ラサラ君。呪文を唱えてみたまえ」 「はい。『БДЙЖФЩЮ……聖守護神ユニラーダ様のご加護を! けがれた亡者を封印せん! ……セインティア!』」 リンローナが右手を伸ばすと、指先から白い煙が沸き起こり、 黒い大きな石に向かって一直線に飛んでいく。 ジュウゥゥという音と、焦げるような匂い。 教授が、黒い石の減り具合を確かめる。 「……合格! 大成功じゃ」 「やったあ!」 席に戻り、既に合格していたナミリアと喜びを分かち合う。 〈セインティア〉は、アンデッドモンスター(死霊)を封印する魔法。 黒い石は、負の力を持った特別な石なのだ。 難しい魔法だが、リンローナはまたまた見事な成績。 ……これで進級が確定した。
★STORYs-ルデリアの全体像