(C)Ryo Akizuki
KeY: 街の灯

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「あっ!」

 体が震えた。

 心も震えた。

 両眼からは、大粒の涙がひとしずく。

 ……どこの街なんて、わからない。

 そんなことは、どうでもいい。

(遠くに街の灯が見える)という、

《その事実》が大事なんだ。

「あたし、あたし……」

 夜空の果てを一心に見つめるリンローナ。

「……お母さん。本当に、本当にありがとう!」

 涙をぬぐい、光を目指して一気に山道を駆け下りる。



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X X X    空 耳

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