暗くなり始め、闇がリンローナを一層不安にさせる。 「どうしてあたし、冒険者なんかになったんだろう……」 今までやってきた全てが無意味に思えてきた。 一度下を向き、一呼吸おいて薄暗い空を見上げる。 「……あたし、どうしたらいいのかな」 途方に暮れるリンローナ。 空には一番星がきらめいている。 「……ん?」 あの星……いつか、お母さんと一緒に見たような気がする。 頭の中を、母の好きだった歌が駆けめぐる。 リンローナは、ちっちゃな声で口ずさんでみた。 「♪知らないー 街までー 歩いて行こう 幸せさがしに」 相変わらず、あたし、音痴だなあ。 ……続きの歌詞、何だっけ? 「♪希望はー きっと叶う」 思い出した! 「♪この、旅路の果てで!」 お腹は減っていたけど、なぜだか急に元気が湧いてきた。 希望はきっと叶うんだね……。 叶えてみせる! 「あたし、もうちょっと頑張ってみる。 ……お母さん、勇気をありがとう! 天から、あたしを見守っていて下さい」 道が突然、開けたところに出た。 眼下には……。
★STORYs-ルデリアの全体像

