そして今日の授業も終わり、リンローナはナミリアと連れだって下校する。 話が途切れた時、ナミリアはふと思い出して言う。 「あ、そうだ。面白いの見せてあげる」 「なあに?」 立ち止まり、鞄を開け、一冊の雑誌を手にするナミリア。 「これよ、これ」 「『月刊冒険情報』……ナミって、冒険者志望なの?」 「ちょっとね」 「ふ〜ん。知らなかった」 「面白い記事があるの。リンローナもやってみるといいよ」 ナミリアはページをめくる。 「どこかな……あった!」 「『冒険者職業適性診断テスト』?」 「うん。まず、質問に答えていくのね。 その答えによって道が分岐していく。 最後に、冒険者になるとしたらどんな職業が向いているのか、教えてくれるの」 「楽しそうだね。あたしもやってみる」 リンローナは雑誌を受け取り、字面を目で追う。 《以下の質問に答えることによって、あなたの向いている職業が分かる!》 《各質問の回答は二つずつ用意してあります》 《どちらかを選んで、先に進んで下さい》 「なるほど……」 うなずくリンローナの横から、ナミリアがのぞき込む。 「わかった?」 「うん。たぶん」 「じゃあ、頑張ってね」 「まずは《質問・その一》から出発だぁ!」 《質問・その一》 《あなたが行きたいと思うのは、以下のどちら?》 《A:メラロール王国》 《B:ミザリア国》 リンローナは腕組みをして、うなっている。 「う〜ん、どうしようかなぁ」 「難しく考える必要はないんじゃない? ただの遊びなんだから」 「そうだね」 リンローナは、両国の特徴を思い出す。 【北】 北方の大国・メラロールは、針葉樹の生い茂る冷涼地域。 魔法文化が高度に発展している。 【南】 ミザリア国は亜熱帯の島国。 人々はみな、とても明るい。漁業が発達。 ナミリアが訊ねる。 「決まった?」 「うん。あたしが行ってみたいのは……」
★STORYs-ルデリアの全体像

